「記憶」「意識」「ミーム・アイデア」
2019年の「物語の終わり」のあと、凪五十鈴によって多くの肉体に物語が与えられた。それはつまり、その記憶に対して、ある種のミームが生まれたということである。それはニャルラトホテプに汚染されたものだ。つまり、五つの位格とその同一性による人間という生き物の創生である。こうして、再誕した第二世代の人類は外部から意識(PL)を呼び起こす。
この時、重要なのは記憶ではなく、ミームと意識であるから、呼び起こされた意識は記憶の喪失(肉体的な死)を起因として、そのミームを引き継いだまま別の肉体へと憑依し直す。そして、憑依された肉体の側も意識とミームの強制力によって変容し、消滅したはずの肉体と入れ替わる。無理矢理に科学的な説明をつけるなら、量子テレポーテーションに近い。元々一つの存在であったとする五位一体派のミームの下では少なくとも一部がもつれ状態にあり、その状態が伝播している。
また、この事態には綿貫伊澄も関わっている。『story terror』で実験と検証を繰り返した一つがこれに当たる。詳細は世界一瞬前仮説 。
こうして探索者は肉体を替えながら逃げ惑うこととなった。
遠い未来、鋭角世界と曲線世界の戦争が終わった後、一部の人間は交雑種として第二の人生を送ることとなった。
この時代ではほとんどの人間の肉体はヨグ=ソトースと同一化しているか、交雑種のなりそこないになっている。特にティンダロスを研究していた Unveil を含む多くの団体は交雑種側だ。そして、遠くアーカムとインスマスの間、その付近に存在する Unveil の拠点(あるいは『un-falling, freely』の五位一体派拠点)には『Witch in the color hole』で鋭角世界に取り込まれた探索者の成れ果てが存在する。
その肉体を取り込むことで記憶が復元され、『Witch in the color hole』へ繋がる。
1980年の街(当時は村)の闇を知り、どうにかしようと、あるいは淡々と作業を進め、結果的にその崩壊を知ることになる。
『』はこれまでの三篇によって意識と肉体と物語の全てが揃った状態にて始まる。よって、本来のコンセプトからは外れた物語であり、そのため題名がない。それはPLが主体であるということだ。
そのため、希望すれば『un-falling, freely』の探索者でプレイすることもできる。ただし、シナリオ内には探索者の指定があるシーンもあるので注意。
1章にて避難した先は九重御影の肉体を使ったイス人による地下シェルターだ。そこで、1章探索者はこれからとてつもなく巨大な何かが襲ってくるという事実を聞かされる。また、一章で避難した後、地下にて最低限の戦闘訓練とブラックホールレコーダーの使用方法について学習していたため、4章開始時点では既に5/1になっている。